地方創生SDGs事例


▶6次産業化支援と宮城県国際協力隊事業に参加

~6次産業化の経験を活かしJICAと協同でアフリカ・マラウイ国農業従事者支援~

6次産業化の提案と実践女性農業者のコーディネートと支援について

私は、JICA・宮城県のこれまでの農業水利事業における視察・研修事業に加えて、産業創出、雇用拡大、それらによる貧困対策の一助となればとの思いから、六次産業化の支援の提案をさせていただきました。

支援事例として、農業事業者 A (以下Aと呼称)のを紹介させていただきます。

支援開始時(2013年)、A60 歳女性。支援してからすでに数年経過しました。

今までの支援実績の内容を確認、あらたな新商品開発の企画・販売戦略を含め事業計画作成の支援を行い、農林水産省が行っている六次産業化事業者認定に適していると考え申請の支援を行いました。 

その結果、Aは六次産業化認定事業者となりました。

農業事業者Aの拡大実績は

〇売上高は向上

着手当時(2013年)の生産した農産物売上高は260万程度でした。六次産業化事業開始 6 年目で、農産品・加工品合わせおおよそ 6,000万円以上にまで拡大しました。

〇農地面積の減少と売り上げ向上目指し、郷土の味「しそ巻き」の新商品開発を頭に、加工品の開発に着手。

取組途中、借りていた農地の返還を求められ、生産面積は減少。それに共ない、一機奮闘、小面積で付加価値を上げ、売り上げ向上を目標に加工品の開発を行いました。具体的には米を麹とあわせ、米麹を作る。生産している大豆と米麹とあわせ、味噌を作る。作った味噌をを使い「しそ巻き」、梅、ゆず、唐辛子等とあわせ、味噌シリーズを開発しました。

味噌シリーズだけで現在 7 種類あります。

また、大豆を郷土料理である酢漬けにした「大豆で酢」の開発。

水田面積減少にともない、「お赤飯です」の商品開発等。 

〇米の販路は、

一部の米を JA に出荷するものの、現在はほとんどが商品原材料として使用しています。

  〇米を加工食品に

米は餅をつくり切り餅として販売。餅も、一般のもち米を切り餅にしたものから、豆餅、玄米餅など、餅製品も多品目にわたり商品開発をしました。

その他、惣菜としてお赤飯、まぜご飯等として販売。 

生産したうるち米、餅米を使用した「お赤飯セット」の商品開発をしました。

下の写真です。

   〇廃棄していた規格外野菜の活用

農協に出荷できない規格外野菜は加工商品にする。生産した限られた野菜、加工所機材を最大限に使いこなし、冷蔵庫・冷凍庫の導入など、合理的な発想とともに商品開発をした結果が、今の売上を達成しました。

 

〇多様な働き手の拡大

現在は 5名の常勤と、季節により10 名の地域のおじいさん、おばあさんが手伝いにきます。ここでの働き手は50 代から 88 歳の女性まで、老若男女問わず働いています。朝は早い人で 5 時から出勤しています。

賃金は、当然最低賃金を割ることはありません。離婚をした子育てシングルマザー、障害を持った男性も働いています。子供世帯と同居して年寄りは、毎日ここで生き生きして働いています。Aは働きに来る人に支えられているといっています。Aにとっては夫、舅、姑が他界し、子供たちが独立したこともあり、彼・彼女らと家族のように仕事をしていることは何よりの生きがいになっています。

  「健康よし、懐よし」である。A の活動は SDGs 実践事業者でもあります。  

アフリカ・マラウイ国農業従事者支援

 宮城県と JICA (独立行政法人国際協力機構・外務省の外郭団体)が連携して2011年から「宮城県国際協力隊事業」を行っています。この連携の概要はアフリカ マラウイ国に農業土木職員を派遣・適正マニュアルの作成をはじめ、水利人材能力開発、持続的農業水利技術を活用するための人材育成等事業をマラウイ国、日本での研修とあわせ行ってきました。この研修によりアフリカでは、マラウイは最下位から 2 位の貧困国ですが貧困からの脱出を支援することです。私はこの研修に追加提案をしました。その結果、昨年六次産業化に取り組む農業事業者への視察・ヒアリング研修の企画・アテンドを担いました。(地図はマラウイ国でアフリカ東部に位置 外務省のホームページより)

 

 この追加提案の内容は「農業生産に加え、六次産業化により商品開発から販売まで行こ

とにより所得向上、雇用受け皿の拡大につなげる」です。             

アフリカ、マラウイの研修生4名に対して前段でも記述したAを研修場所に選び現場実習

をしました。マラウイの研修生に対する具体的な研修は牛小屋だったところをお金が無

かったので、A自ら大工さんとともに取り壊し、改修した加工所(加工開始当時に機材こ

180万円で改修から出発した)の視察してもらいました。

加工施設の視察を終えたあと、畳つづきの部屋で、日本茶とともに商品試食。彼らは昼ごはんをすませてきたと聴いていましたが、先の店で箸をつけなかった「つけもの」郷土料理の「しそまき」に思いもかけず箸がすすみました。特に気に入っていたのは、「にんにくのしょうゆ漬け」でした。A に作り方を説明してもらいました。

私は研修生がマラウイに帰国して今回研修から実践にむけての活動が可能か、気になり質問をしました。「にんにくを生産できる耕地は準備できるのか?にんにく生産は可能か?」と質問したところ OK との返事でした。にんにくが生産できたら、加工して売る。にんにくを生果でうるだけにとどまらず、生産・加工・販売までのバリューチェーンについて説明。これら一連の活動で生産する人、加工する人、販売する人等の雇用の場の創出できると研修生は説明しました。

彼ら彼女らは「早速自国に帰って検討を始める」と言って帰国しました。生産規模、加工規模、流通・販売規模にもよるが、まずは小さな成功を祈っています。

 

私が今回関わったことをSDGS17 項目のどれに該当するか調べると下記になると考えます。

アフリカ・マラウイの6次産業化研修生と農業事業者Aと筆者(右端)

SDGs ゴール1: あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

 

 

 

 

SDGs ゴール2:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し持続可能な農業を推進する。

SDGs ゴール3あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。

SDGs ゴール4:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。

SDGs ゴール5ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

SDGs ゴール8:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的雇用と働き甲斐のある人間らしい雇用を促進する。

SDGs ゴール12:持続可能な生産消費形態を確保する。

SDGs ゴール17:持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

      地方創生支援者:日本経営士会 東北支部 経営士 SDGs経営士 環境経営士        

              桔梗美紀 (経営コンサルタント) 


▶オリーブの葉を活用した機能性食品の6次産業化     事業

①オリーブの実を使わない、剪定で切り下したオリーブ・リーフの有効活用商品開発。

②農業者の高齢化、後継者不足などで広がった耕作放棄地、山間地で地域活性化対策。

③今迄捨てられていたオリーブの葉に、機能性成分が多く含まれていることの再発見。 

④粉末加工技術の進歩で食用に向かない栄養豊富な皮や葉が、機能性商品の原材料に


◆案件概要  

・地域振興策で10年前からオリーブの木が九州7県で栽培奨励されている。

・その背景には、みかんの高樹齢化、食物の洋風化、農業者の高齢化、後継者不足などで広がった耕作放棄地の再利用のために、手入れが容易なオリーブ栽培を、温暖な九州各県が奨励したことに始まる。

・オリーブ栽培で有名な小豆島では約7万本の植樹が為されているが九州各県のオリーブは、14万本前後と小豆島の約2倍が植えられるまでに拡大した。その割に知名度が低いのは歴史も浅く、10年まえに植樹したオリーブがようやく多くの実を付ける成木に成長したが、九州は台風被害などの影響も受け易く、落果する実も多く、順調とは言えない状況にある。

・そこで災害の影響を受けないオリーブの葉を活用する6次化事業を考えた。 

 オリーブ葉は機能成分が多く、粉末化する事で色々な食品に活用できる


◆支援内容

・九州OFは永年にわたり、オリーブの栽培指導をして来た実績があるので、 

 オリーブ農家との信頼関係は築けているが、商品開発と販路開拓は不得手なので、6次産業化事業について支援して欲しいとの要請有。

・第一弾としてオリーブリーフを活用した、「ティーパックのオリーブ茶」を開発することとした。

・関係機関、生産農家との商品開発連絡会を立ち上げ、商品化に向けての意思統一、3回の協議会を経て、原料手当てからサンプル検査、モノ作り、ネーミング、デザインと順調に進み、「ティーパックオリーブ茶」を完成させた。

 

・販路開拓のための展示会に参加、商談交渉も支援して、特産品ショップ、御茶専門店、健康食品通販などの、販売チャネル先を確保した。


◆支援成果

・オリーブ農家の確保を優先するための

 六次化の啓蒙活動、研修会も実施。

 栽培基準、採葉マニュアル、一次加工、二次加工の開発マニュアルなどを作成したことで、オリーブ農家の知識も士気も高めることが出来た。

・オリーブの実は天候や災害の影響で、収益が不安定であるがオリーブの葉は心配ないので安定収入が見込める。農家とも良好な関係を築ける。

 機能性食品の原料として汎用性があり、業務用市場も期待出来る。

・オリーブの葉を粉末加工し売込む企業を選定して販路拡大を図る。

 

 特に、健康食品メーカー(機能性、健康食品開発用)、緑茶加工メーカー(ティー パック、パウダーティー),菓子メーカー(ケーキ、羊羹、カステラ、 チョコレート)製麺メーカー(パスタ、ラーメン)・調味料メーカー(味噌、醤油、ドレッシング、  マヨネーズ、ビネガー)・コスメメーカー(化粧品、石鹸)など販路拡大を実施した。


◆支援後の状況

・今までは、九州各県が別々にオリーブ事業を展開し、オリーブ生産農家も、収穫面で思うような成果を上げることが出来ず、クレームやトラブルも絶えなかったが、九州OFがオリーブリーフを粉末加工原料として買い取ることで収益も安定し、落ち着いた。

・耕地面積も広く、小豆島の2倍のオリーブが植えられていることから今後九州の特産品として大きく発展する可能性を秘めている。

・九州OFはオリーブ・リーフを買い付け、6次産業化を推進したことで、オリーブの苗木を植える農家や農業法人も増え、地域振興への期待も高まった。

 

 

SDGs ゴール2:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

SDGs ゴール8:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働き甲斐のある人間らしい雇用を促進する。

SDGs ゴール9:強靭なインフラ構築、包摂的かつ続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。

SDGs ゴール12:持続可能な生産消費形態を確保する。

地方創生支援者:日本経営士会 埼玉支部 経営士 鈴木栄治 (経営コンサルタント)


▶福島県会津自然塾の有機農業と商品開発・販路開拓事業

有機農業を目指す会津自然塾が農産物の直販以外に、加工品開発、販売開拓に取り組んで、6次産業化事業に挑戦、付加価値向上を実現した。

有機農業のセールスポイントをアピールし、消費者に安心安全な有機農産物の情報をPRするために、マーケティング手法に基づく、モノ作り、販路開拓を実践すれば、6次産業化の事業成果が見込める好事例。

 

◆案件概要

・会津自然塾は、有機農家会員で組織するNPO団体として活動。

 化学農薬、化学肥料を使わずに、循環型の農業に取り組んでいる。 

 

・今回、利益向上を図るため、かぼちゃと人参、トマトの素材ソースを商品化し、有機農業の普及に向けて6次産業化事業をサポートした。


◆支援成果

・販路開拓先として、郡山市のJA農産物直売所『愛情館』を紹介。

 

 愛情館の企画担当者と面談し、会津自然塾の有機農産物の取り扱いと素材ソースの販売実演のお願いをした。商談の仕方も実践経験して頂いた。会津自然塾の取組を好意的に受け止めて頂き、会津自然塾の農産物と調理ソースを品揃えする事で合意した。


◆支援後の状況

・ マーケティング、モノ作り、販売が一体となり、初めてヒット商品に繋がる。

 東京に販路拡大することを提案、麻布十番のパークコートで企画された、オーガニックのマルシェに出店。有機野菜や加工品(味噌・自然卵、調理ソース)を実演販売したことで、地元の3割アップの価格で売れた。

 

・その後、日本橋の福島県特産品ショップにも売り込み、定期的に催事や試食販売を実施して業績アップに繋げた。その結果、新たな有機農業者2軒が仲間に加わり、会津自然塾の知名度も高まった。


SDGs ゴール2:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

SDGs ゴール3

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し福祉を促進する。

SDGs ゴール8:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する

SDGs ゴール12:持続可能な生産消費形態を確保する

地方創生支援者:日本経営士会 埼玉支部 経営士 鈴木栄治 (経営コンサルタント)


▶二階上下は自力歩行で、エレベーター利用改善

      (日本経営士会 経営士が那覇市に提案、採用)

1.提案の名称:「那覇市役所内勤務時職員の上下2階自力歩行によるエレベーター利用改善を含む  

       省エネ・三密コロナ感染回避と健康増進」 

2.提案の背景

(1)沖縄に住む人々は、車社会にどっぷり浸かって歩くことをしない。健康社会をやや阻害している。

(2)それがためか男性の健康寿命は80.27歳、日本36位に甘んじており、女性7位の87.

   44歳であり、長寿県の面影もない。(厚生労働省 2018年発表 2017年実績)

(3)この対策として、那覇市役所内のエレベーター移動に3(1)の条件を付し、その稼働効率削減に

   よる省エ ネを達成する。コロナ禍での三密と感染回避策としても有効である。

(4)更には体力向上と健康改善を意図としたシステムを構築し、全国公官庁・学校等と民間にも広める。

   日本の医療費は、43兆円/年を超えている。

国家予算(令和3年度)一般会計歳出の40%超である。

当該提案 3.の地道な取り組みによって、これが改善されれば、後述する※「ナッジ(理論)」がもたらす有効性が現実化し、税の改善が実現する。

3.提案の具体的実施要領

(1)那覇市役所に働く健常者は、勤務時間帯の用件移動は、所属階を基準にして上下2階は自力歩行とし、  

   エレ ベーター内の三密を避け、更には稼働率を削減し省エネにつなげる。ナッジ理論の採用して

   「健康階段は“こちら”」→で誘引表示する。

(2)エレベーターの利用は市民優先とし、その利便性とサービス向上に繋げる。

(3)これをモデルケースとし実証化&マニュアル化する。

(4)環境省がすすめている ※「ナッジ(理論)」のモデルケースとして参画し(後述・「上りたくなる

   階段」 を採用等して)これを発展させ、全国公官庁、学校等と民間にも広める。

4.期待される成果

(1)人間の自力歩行による省エネ(エレベーター稼働率の削減達成)の実現と市役所職員の健康増進が

   はかれ る。                                              

     (ナッジ理論効果の見える化で国家医療費の削減達成と当該医薬品等の製造エネルギーの削減可能)

(2)投資ゼロ改革の省エネが達成される。

(3)省エネ効果の実証試験を行い、計測数値化した上、全国展開説得材料とし、官民対象とした全国

   展開を図 る。

   上記の提案者氏名:一般社団法人日本経営士会  経営士 志村郁夫さん (経営コンサルタント) 

   上記提案を実施推進する旨の回答を上記 環境部 環境政策課から5月24日 メールで受領。


「ナッジ理論」とは

環境省がすすめている「ナッジ(理論)」(日本版ナッジ・ユニットBEST 年次報告書(事務局:環境省)御参照ください)www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html

「ナッジ(nudge)とは:そっと押す。善行動を支えてそっと押してやる運動」

行動科学を活用した取組に関する方法論や課題、対応方策等を共有するとともに、環境・エネルギー分野はもとより、幅広い分野における課題 の解決に向けた行動科学の活用について検討を進めることを目的として、日本版ナッジ・ユニット連絡会議が設置された(事務局:環境省)

産学政官民連携によるオールジャパンの議論の「場」であり、 open space for open discussion(開かれた議論のための開かれた場)を信条として いる。  

参加者が各回のトピックを持ち寄る「ポットラック型」(ありあわせの料理や持ち寄りの料理で開く気軽なパーティー)の会議設定とし、毎回トピックに合ったメンバー構成で議論を重ねている。

例えば、国、地方公共団体、民間事業者、大学等による行動に着目した取組みの紹介や、そうした取組を題材として、EBPM(Evidence-Based Policy Making)(下記注を御参照ください)の実践や、行動科学の知見を活用した取組が民間にまたは政策として社会実装されるための出口戦略の検討を行っており、具体的な検討事項等は以下の通り。

行動科学を活用した取組に関する方法論や課題、対応方策等の共有、幅広い分野における課題の解決に向けた行動科学の活用の検討

行動科学の知見を活用した取組みが民間にまたは政策として社会実装されるための出口戦略の検討 

(これまでの具体的な論点や資料は、以下のウェブサイトに掲載して いる。) www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html

2017年10月ノーベル経済学の受賞分野が行動経済学(=ナッジ)であり、取り組みが深化、連携体制が次第に強化されている。

「運動不足の解消」のような社会問題を解決するため、政府の関係省庁や自治体などがナッジの導入を試みている。

環境省は「ナッジ(理論)」の実践具体例を公募し、年間表彰を実施している。

 

注:EBPMは「統計データや各種指標など、客観的エビデンス(根拠や証拠)を基にして、政策の決定や実行を効果的・効率的に行うこと」と定義できます。そして民意や社会の状況をキメ細かく、すばやく、的確に反映した政策を立案・実行し、普段は見えにくい政策の効果を可視化して、誰もが効果を実感できるようにすることを目的としています。

「ナッジ理論」の実施例

「ナッジ」実施例

 新型コロナウイルス感染症対策に「ナッジ」理論を取り入れ検証

1 つくば市役所の「消毒ナッジ」実施例

 新型コロナウイルス感染症対策の一環として、つくば市役所への来庁者の消毒 

 実施率を上げるために、人々の自発的な行動を促す「ナッジ」理論に基づく実 

 験を行いました 

 (以下、本実験を「消毒促進ナッジ」と呼びます)。

 

  消毒実施率が向上したのは下記の2つです。

 (写真はつくば市資料より、消毒促進ナッジ)

(1)風除室に設置(通行の邪魔にならない程度、来庁者の動線に

  かかるよう設置)

   10.5%→49.5%(統計学的有意差あり)

 

(2)玄関付近に常駐する警備員による声かけの実施

   10.5%→78.5%(統計学的有意差あり)

 

設置場所を変えただけで消毒実施率が4.7倍に。警備員の

                    声かけで7.5倍!


2 金沢八景駅・市大医学部駅 

「上りたくなる階段ナッジ」の実施例

 

広告医学ヨコハマプロジェクト実行委員会は、健康寿命日本一を目指している横浜市と連携し、〝自然な健康行動の誘発〟を目的とした『上りたくなる階段(健康階段)』を開発、(株)横浜シーサイドラインの協力のもと、金沢八景駅と横浜市大医学部駅の階段に設置をしました。

『上りたくなる階段(健康階段)』は、「上り」はついエスカレーター(右上)等を利用してしまい階段を使わないという日頃の運動不足の解消を目的に、ユニークなデザインを施すことで、楽しみながら階段を上る運動を誘発することを目指しています。 

金沢八景駅 設置後の様子(階段の立ち位置によって見え方が変わります)

SDGsゴール3:あらゆる年齢のすべての人々に健康的な生活を確保し、福祉を促進する。

SDGsゴール4:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促 

                          進する。

                          ナッジ理論は「そっと人を押して、目標に近づけるのは、教育、広報とも通

                          じると考えこのゴールも選びました。

SDGsゴール13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。

地方創生支援者:日本経営士会 九州支部 経営士  志村 郁夫(経営コンサルタント)